プランターを使ったじゃがいもの育て方を初心者さんにもわかりやすく解説します。
タネイモの植えつけから収穫まで8つのステップを押さえましょう。ぜひご覧ください!
1. じゃがいもってどんな野菜?
じゃがいもは管理が簡単で収穫量が多いことから、初心者でも失敗が少ない人気の野菜。
ナス科の野菜で、アンデスの高原地帯が原産地です。
低カロリーで栄養豊富なじゃがいもの主成分は、デンプン。
ビタミンB1やB2、C、カリウムなどを多く含み、食物繊維も豊富です。
家庭菜園で収穫したじゃがいもなら、おなじみのカレーや肉じゃが、ポテトサラダなど
いろいろな料理で採れたてのおいしさを楽しめるでしょう。
じゃがいもは別名を「馬鈴薯(ばれいしょ)」という
馬の首につける鈴のような形のイモがたくさんつくので、
じゃがいもは別名を「馬鈴薯(ばれいしょ)」といいます。
中国語が由来というのが有力な説です。
「じゃがいも」という呼び名は、
今のインドネシアであるジャガトラから渡来したことによる「ジャガトライモ」を略した呼称です。
じゃがいもにはさまざまな品種がある
かつては「男爵(ダンシャク)」と「メークイン」の二大品種が主流でしたが、
最近は品種も増え、選ぶ楽しみも広がりました。
ホクホク系(「男爵」「インカのめざめ」など)、
しっとり系(「メークイン」「ホッカイコガネ」など)といった、
煮物向きや揚げ物向きの品種などがあるので、つくりたい料理によって好みの品種を選びます。
【ホクホク系】男爵
「男爵」は最もおなじみの品種で、明治40年に川田男爵がアメリカから導入したことが品種名の由来に。
昭和3年から奨励品種となり、長年、じゃがいもの代表格として栽培されてきました。
球形で黄白色、白色の肉はほくほくの粉質で、食味がよく、定番のおすすめ品種です。
【ホクホク系】インカのめざめ
「インカのめざめ」は、アンデス産の独特な食味と風味を生かし改良された品種。
極早生種で、植え付け後100日ほどで完熟へ。
黄褐色で卵形のイモが密につき、不揃いで収量は少ないため希少品ともいわれます。
やや粘質で収穫直後は甘みは少ないですが、日が経つとクリのようなうまさが出てきます。
【しっとり系】メークイン
英国生まれの「メークイン」は関西から人気が盛り上がり、「男爵」とともに有名になりました。
長卵形で目は浅く、淡い黄色の果肉はきめ細やか。
粘質で煮崩れしにくいため、煮物向きとして好まれます。
低温で貯蔵すると甘みが増すのもポイントです。
【しっとり系】北海こがね
「北海こがね」はフライドポテトにぴったりの品種。
煮崩れしづらいので煮物にも適し、調理後の黒変もなく調理品質も優秀です。
じゃがいも栽培は「タネイモ」の植えつけでスタート!
じゃがいもを育てるには、小さな種やポットに入った苗ではなく
「タネイモ」という植えつけ専用のイモを用意します。
見た目はふつうのじゃがいもにそっくりですが、食用ではありませんので取り扱いにはご注意ください。
健全で優良なタネイモを安定的に生産・供給するため、
国の機関である種苗管理センター、道・県、農業団体の3カ所で病害虫に対する厳格な管理を行った後、
一般にタネイモとして販売されています。
2. じゃがいもをプランターで育てる時期や環境
じゃがいもは、サツマイモや里芋など同じイモ類よりも生育期間が約3カ月と短いのが特徴です。
じゃがいもには春栽培と秋栽培がある
じゃがいもは春と秋の2回、植え付け時期があります。
このうち、初心者に向いているのは春の植え付け。
今回は春じゃがいもの育て方に絞って解説していきます。
春じゃがいもはイモが完熟する前に収穫するので、皮がむきやすく、食感も滑らかなのが魅力です。
春じゃがいもの栽培カレンダー
春栽培のじゃがいもなら、サツマイモや里芋など同じイモ類よりも生育期間が約3カ月と短いのが特徴です。
平均気温が10度ほどの寒さの残る2月中旬~3月上旬がタネイモの植えつけ時期。
植えつけ後50日目ごろから土の中で肥大しはじめ、開花する80日目くらいが肥大時期のピークに。
そして、梅雨入り前後の5月下旬~6月上旬に収穫します。
日当たりと風通しのよい環境を好む
じゃがいもを上手に育てるための栽培ポイントは4つあります。
ポイントA:日当たりの良い場所で育てる
じゃがいもは地表で育つ大きな葉から光合成をして、地中のイモにでん粉を溜め込み生長する野菜です。
光合成を促すために日当たりの良い場所で育てましょう。
ポイントB:風通しの良い場所を好む
ベランダでじゃがいもを栽培する際の重要なポイントは、プランターの位置。
じゃがいもは風通しの良い場所を好みますが、不自然な強い風や熱風は大嫌い。
土が乾燥したり苗が弱くなる原因になるので、室外機の風が当たらない場所で育てるようにしてください。
ポイントC:水やりは控えめに
水のあげすぎは生長中のじゃがいもが腐る原因になので、控えめに。
ただし、水分が足りなさ過ぎても褐変や実割れなどの原因になるので、土の中まで様子を見て乾いていることが確認できたら水やりをします。
ポイントD:深さのあるプランターを選ぶ
じゃがいもは種いもの上へ向かって芽を出し、イモをつけていくため、深さのあるプランターを選びましょう。
3. じゃがいものプランター栽培に必要なもの
・じゃがいものタネイモ
・プランター(深さのあるもの)
・培養土(15L)
・肥料
・ジョウロ
4. じゃがいもの育て方|8つのステップ
じゃがいもの育て方を8つのステップにまとめました。
家庭菜園ブランド「UETE」の定番商品「じゃがいも スターターセット」を使って、
じゃがいもの育て方をご紹介します。
じゃがいもの育て方|①タネイモの準備
植えつけの2~3日前にタネイモを包丁で切り分けます。
大きなイモはタネイモの芽がたくさん出ている頂点を中心に1片が30~40gになるように切り分けます。
このとき、芽の数が均等になるように切り分けるのがコツ。
40g以下の小さいイモは切らずにそのまま使います。
切り口がぬれていると腐りやすいため、
乾かすために2~3日ほど風通しが良い場所で陰干しして切り口がコルク状になるのを待ちます。
じゃがいもの育て方|②プランターに土を入れる
次に、UETEの培養土「UETE SOIL PACK」をプランターに入れましょう。
家庭菜園で重要なポイントのひとつに、育てる野菜と土との相性があります。
UETEのオリジナルアイテムのUETE SOIL PACKは、
軽量で野菜が健全に根を張り成長するように、野菜が喜ぶ良質な栄養源をオリジナルブレンドした培養土。
使い方はカンタン。
不織布プランターに麻袋をかぶせ、プランターをセットします。
そして2袋分(計10L)のUETE SOIL PACKを入れたら完成です。
★芽かき後に増し土をするので、1袋(5L)は残しておきます。
じゃがいもの育て方|③タネイモの植えつけ
「じゃがいも スターターセット」ではタネイモを3つお届けします。
プランターに深さ7~8cmほどの穴を3つ作り、切り口を下向きにしてタネイモを植えつけます。
植えつけ後は土をかけます。
このとき、肥料をあげる必要はありません。
UETE SOIL PACKに含まれている肥料成分が、効き目を発揮するからです。
じゃがいもの育て方|④水やり
植えつけ後はたっぷりと水やりを。
その後、芽が出るまではタネイモの水分と栄養でまかなうことができるので水は与えません。
芽が出たあとは、土中が乾いているのを確認してからたっぷりと水を与えましょう。
確認の方法は、根を傷めない程度に軽く掘って土の中の様子を確かめます。
水やりのタイミングがわからなければ、水やりチェッカー「SUSTEE(サスティー)」が便利です。
じゃがいもの育て方|⑤芽かき
植えつけから20~30日ほど経ち、10~15cmに生長した芽が出てきたら、
太った勢いの良い2~3本を残して芽かきをします。
抜き取る茎の株元をしっかりつまみ、残す芽の根を傷めないようにゆっくりと抜きましょう。
芽かきって?
じゃがいもの栽培では、良質のイモを収穫するために不要な芽をかき取る作業が欠かせません。
この作業を芽かきと言います。
芽かきをすることで株同士の日当たりや風通しがよくなり、
その後の良好な生育につながります。
芽かきによってイモをしっかり太らせよう
地中でできるイモの数は、芽の数で決まります。
芽かきをせずにたくさんの芽を伸ばすとイモの数は増えますが、
一つひとつのイモは小さくなります。
小さすぎるイモはソラニンという有毒物質を含み食用に向かないため、
元気のよい芽を2本残してイモをしっかり太らせる方法がおすすめなのです。
じゃがいもの育て方|⑥増し土
芽が10cmほど出てきたら増し土(ましつち)を行います。
その際、残しておいたUETE SOIL PACK1袋を使います。
増し土って?
増し土とは、野菜の生育途中に株元に土を投入することを言います。
じゃがいもは土の中に植えつけた種イモよりも上に向かって新しいイモが生長する野菜です。
土の量が少ないと、イモが大きく育たないばかりか、
直接日光にさらされてしまい生長不良の原因に。
ソラニンを防止するため2回目の増し土はしっかりと!
じゃがいもが地表に出て日に当たるとソラニンという毒性の物質ができて食べられなくなります。
じゃがいもが土から顔を出さないように、特に2回目の増し土はしっかりと行いましょう。
じゃがいもの育て方|⑦肥料(追肥)
増し土をしたあとは株元に、必要養分を追加で与える「追肥(ついひ)」をします。
肥料の量の目安は、UETEがお届けする肥料袋を追肥1回につき1袋です。
じゃがいもの育て方|⑧収穫
葉や茎が黄色くなったら収穫の合図です。
株元をしっかり握り、真っすぐ引き抜きましょう。
土が濡れている状態で収穫すると腐りやすくなるため、晴れの日の収穫がおすすめです。
収穫したじゃがいもは、半日ほど天日でイモの表面を乾かすと付着している菌の殺菌・防除につながります。
収獲はできれば梅雨までに
収獲は梅雨に入る前に済ませておきたいところですが、地域によっては難しいかもしれません。
なるべく2日以上、難しければ少なくとも前日から晴れている日に収穫ができるよう、予定を調整してみましょう。
長期保存なら冷暗所へ
長く保存したい場合は、冷暗所で保管しておきましょう。
5. じゃがいものプランター栽培で注意すべき病気や害虫
バジル栽培で注意すべき害虫や病気について解説します。
害虫
じゃがいもの害虫の代表格は、アブラムシ。詳しく見ていきましょう。
アブラムシ
アブラムシの発生は暖かい時期に多く見られます。
湿気のこもりやすい場所を好むため、風通しの良い環境をつくって発生を防ぐことが大切です。
しかし、それだけでは限界があるため予防のために忌避剤などを使うとよいでしょう。
テントウムシダマシ
テントウムシよりも背中の星の数が多いテントウムシダマシは、幼虫も成虫も葉をひどく食害する害虫です。
放置するとほとんど葉がなくなってしまうため、忌避剤などで早めの防除を。
病気
じゃがいもの代表的な病気には、そうか病やモザイク病などが挙げられます。
そうか病
そうか病は食味や収量への影響はほとんどないものの、見た目が悪くなる病気。
イモの表面に赤褐色のはれもの状の斑点が生じ、
拡大とともに淡褐色~暗褐色に変じて周縁が盛り上がるという症状です。
発症の理由はいくつかありますが、地温が高く乾燥した環境であったり、
土壌pHが6.5以上とアルカリ性に傾いていることなどが挙げられます。
モザイク病
先述のアブラムシの被害によって、じゃがいもにモザイク病という病気が発症することも。
モザイク病にかかった植物の葉は、名前の通りモザイクのような模様が生じます。
放置していると枯れていくうえ、ほかの植物にうつってしまうことも。
病害を受けた葉は、見つけ次第すぐに摘み取りましょう。
また、モザイク病の予防のためにもアブラムシ対策を徹底しましょう。
6. じゃがいもの育て方に関するよくある質問
じゃがいもの育て方に関するよくある質問を集めました。
Q1. 食用のじゃがいもはタネイモとして使えますか?
A. 必ずタネイモ専用のものを使いましょう。
春、暖かくなると食用のじゃがいもも芽が伸びてきます。
「もしかしてタネイモに使えるかも……」と考えてしまうかもしれませんが、
食用のじゃがいもはウイルス病や細菌病などに侵されやすく、一度感染すると防除が不可能です。
このためじゃがいもの安定生産には健全で無病なタネイモを毎年購入することが欠かせません。
Q2. 余ったタネイモは食べてもよいですか?
A. 食べないほうがよいです。
植えきれずに余ってしまった使い残しのタネイモ。
見た目は食用のじゃがいもとそっくりですが、
病虫害の予防に薬品処理をされているものもあるので食べない方がよいでしょう。
Q3. じゃがいもを収穫しましたが、小さなイモばかりでした。どうしてでしょうか?
A. 植えつけ時期、芽かき、増し土の3つの要因が考えられます。
要因① 植えつけ時期が遅かった
じゃがいもの生育適温は15~20度、肥大適温は17度といわれ、高温になると肥大が悪くなります。
植え付け時期が遅いと発芽が遅れ、そのため肥大に必要な日数が不足して小さなイモにしかなりません。
要因② 芽かきをしていなかった
じゃがいもが大きくならない原因の一つに、タネイモの芽が多すぎることが考えられます。
普通はひとつのタネイモから5~6本の芽が出てきますが、これを全部育てると、
養分が分散したり、茎葉が茂りすぎて病気にかかりやすくなり、小さなイモしかできなくなります。
対策としては、タネイモ1片につき太った勢いのよい芽を2本残し、
そのほかの芽はかきとる「芽かき」を行いましょう。
発芽してから10日前後に、10~15cmに生長した芽が出てきたら、
残す芽を傷つけないように株元を押さえながら、とり除く芽を引っ張ってとります。
要因③ 増し土をしていなかった
増し土も肥大を促進させるために大切な作業です。
イモが地表面に出ると緑化して有害物質のソラニンを生成しますが、土寄せはこれも防ぎます。
じゃがいもをプランターで育ててみよう!
家庭菜園でじゃがいもを育てるおもしろさは、じゃがいもをタネイモから育てて、成長を見守り、
自分で実際に収穫して採れたてのおいしさを体感するところにあるでしょう。
また、摘心や切り戻し剪定を上手くおこなえば、
たくさんのじゃがいもを繰り返し収穫できることも家庭菜園ならではのおもしろさです。
初めてのじゃがいも栽培はUETEがおすすめ
家庭菜園ブランド「UETE」では、ベランダなど育てる場所さえあれば
誰でも簡単にじゃがいもの家庭菜園を始められる「じゃがいも スターターセット」を販売しています。
UETEがお届けする品種は「インカのめざめ」。
オレンジ色に近い濃黄色の肉色で、滑らかな食感はまるで栗のよう。
植えつけ後、100日ほどで収穫できます。
自宅で育てた採れたてのじゃがいもを食卓に。
そんな家庭菜園のある心地よい暮らしをUETEではじめてみませんか?
育て方に迷ったらお気軽にご質問ください
じゃがいもの育て方について、わからないことが出てきましたら
当サイトのCONTACTやInstagram(@uete.jp)からお気軽にご質問ください。
UETEといっしょに、おいしいじゃがいもが収穫できますように。