イチジク(無花果)の育て方を初心者さんにもわかりやすく解説します。
イチジクをプランターで栽培するには苗木の植えつけから収穫まで8つのステップを押さえましょう。
1. イチジクってどんな果樹?
イチジクはイラクサ目クワ科イチジク属の落葉樹木です。
歴史は古く、古代エジプトの壁画に描かれていたり、
あのアダムとイブが裸を隠すのに使ったのもイチジクの葉といわれています。
イチジクは漢字で書くと「無花果」ですが、花がないわけではありません。
外から見えないだけで実の中に小さな赤い花をたくさん咲かせています。
上品な甘みとやわらかな酸味は、食後のデザートにピッタリ。
すぐに食べきれないときはジャムやコンポートに加工すると日持ちしますよ。
2. イチジクを育てる時期や環境
イチジクは風通しと日当たりのよい場所を好みます。
イチジクの栽培カレンダー
3. イチジクのプランター栽培に必要なもの
・イチジクの苗木
・プランター
・培養土(15L)
・肥料
・マルチング材
・ジョウロ
・剪定ハサミ
4. イチジクの育て方|8つのステップ
イチジクの育て方を8つのステップにまとめました。
家庭菜園ブランド「UETE」の定番商品「イチジク スターターセット」を使って、
イチジクの育て方をご紹介します。
イチジクの育て方|①土づくり
まずは、UETEの培養土「UETE SOIL PACK」を使って土づくりに取りかかりましょう。
家庭菜園で重要なポイントのひとつに、育てる野菜と土との相性があります。
UETEのオリジナルアイテムのUETE SOIL PACKは、
軽量で野菜が健全に根を張り成長するように、野菜が喜ぶ良質な栄養源をオリジナルブレンドした培養土。
お届け時はさらさらと乾燥した状態になっていますが、使用前に水を含ませることで効果を発揮します。
使い方はカンタン。
3袋分(計15L)のUETE SOIL PACKに対して750mlの水をたっぷりと含ませて、
プランターの中で大胆にかき混ぜたらUETE流の土づくりの完成です。
イチジクの育て方|②苗木の植えつけ
プランターの中心にくぼみを1つ作り、イチジクの苗木を植えつけます。
植えつけ後は苗が倒れないよう土寄せをしましょう。
イチジクの育て方|③マルチング
植えつけたら、マルチング材(UETEの「イチジク スターターセット」では『ひのき木綿』を使用)で
地表部を覆い、たっぷりと水をあげます。
このとき、肥料をあげる必要はありません。
UETE SOIL PACKに含まれている肥料成分が、効き目を発揮するからです。
イチジクの育て方|④水やり
イチジクを育てはじめたら、毎日土の状態をチェックしましょう。
イチジクは水が大好きです。鉢の表面が乾いてきたら水やりをします。
目安は、4~10月は1日1回、ただし夏は2回。冬は7~10日に1回行います。
特に夏の暑い時期は土が乾燥しないように注意しましょう。
水やりのタイミングがわからなければ、水やりチェッカー「SUSTEE(サスティー)」が便利です。
イチジクの育て方|⑤剪定

剪定で仕立て作業をすることで、収穫がしやすくなったり、均等に養分を与えることができます。
仕立て方は最も基本的なスタイルの「開心自然形仕立て」がおすすめです。
植え付け1年目はしっかり切り戻して植え付けます。
3本の主枝を育て、そのほかの芽は長さ10cm程度の所ですべて切除します。
伸びた枝は冬の落葉後に30cmほどの所で切り戻します。
【開心自然形仕立て】1年目の夏
主枝となる3本を残し、それ以外は長さ10cmほどに切り戻しましょう。
【開心自然形仕立て】1年目の冬
夏に残した枝を20~30cmに切り戻しましょう。
【開心自然形仕立て】2年目以降
冬になったら伸びた枝を切り戻しましょう。
2年目には、各主枝から伸びる枝は結実させるための結果枝として3本残し、他はかきとります。
冬に、主枝の延長線上にある結果枝は3分の1程度に切り戻し、その他の枝は20cmで切り戻します。
3年目には、主枝と前年枝の剪定は2年目と同じように行いますが、
これくらいになるとかなり樹幹内部は枝が混雑してくるので、
内部に日がよく当たるように適当に間引きを行います。
イチジクの育て方|⑥肥料(追肥)
株元に、必要養分を追加で与える「追肥(ついひ)」をします。
イチジクは生育旺盛のため肥料をたくさん欲します。
夏(6~8月)、秋(9~11月)、冬(12~2月)に肥料を与えましょう。
肥料の量の目安は、UETEがお届けする肥料袋(各15g)を追肥1回につき1袋。
実がなるようになってきたら、肥料の量を増やしてください。
追肥後に見える白カビのようなものは「酵母菌」です。

追肥後、土の表面に白カビのようなものが発生する場合があります。
これは肥料に含まれる「酵母菌」というものです。
スターターセットに付属の肥料が有機肥料のため、暖かくなるとこの酵母菌がつきやすくなりますが、
害は全くありません。
見た目が気になる場合は、5cm程度土を掘り起こして土中に肥料を入れてください。
イチジクの育て方|⑦芽かき

冬に剪定すると、次の春に新芽が出てきます。
このとき、混みあった枝、伸びすぎた枝、生育の悪い枝、
主枝の背面から真上に伸びる芽をかきとる作業を「芽かき」と言います。
芽かきは1度に行わず、3回に分けて行うとよいでしょう。
1回目の芽かき
葉が2~3枚になったころ
2回目の芽かき
葉が5~6枚、枝の長さが10cmほどになったころ
3回目の芽かき
葉が8~9枚、枝の長さが40cmほどになったころ
イチジクの育て方|⑧収穫

植え付け1年目は収穫しない
ベランダのような省スペースでイチジクを育てるコツは、土台となる樹をつくること。
植え付け時に高さ50cmほどでカットし、そこから出る新梢を自分の好きな数だけ発生させたあと、
その年の落葉後に伸ばした枝を30cmほどでカット。
2年目以降はこれを繰り返すことで、安定して収穫を楽しめます。
2年目の夏~秋にいよいよ収獲!
果実の先端が割れ、割れ目から実の中の赤い花がわずかに見えるようになったら収穫の合図です。
果実の付け根を指で挟み、少し持ち上げるようにして収穫します。
5. イチジク栽培で注意すべき病気や害虫
イチジクの栽培にあたって注意すべき病気や害虫について説明します。
病気
高温多湿の年には炭そ病が多く発生します。
これは果実を腐敗させるので、発見次第もぎ取り、病気の発生した果実を残さないようにします。
風通しの悪い環境で発生しやすい、秋に葉裏に赤い斑点が出るさび病も、
病気の葉を発見次第速やかに焼却することが大事です。
害虫
イチジク栽培を悩ませる害虫は、カミキリムシが挙げられます。
カミキリムシの幼虫が幹に入り込むと樹が衰弱し、放置しておくと枯れる原因に。
イチジクには4種類のカミキリムシの寄生が知られていますが、
最も被害の大きいのは「キボシカミキリ」で、イチジクにとって一番の害虫です。
「キボシカミキリ」の成虫は春~秋に現れて、葉脈や樹皮を食害しながら、メスは樹皮に産卵します。
孵化した幼虫は樹皮を食い進み、やがて穴をあけて材部に入り、約1年の幼虫期を過ごす間、食害を続けます。
ほかに「ゴマダラカミキリ」「クワカミキリ」「シロスジカミキリ」も被害を及ぼします。
カミキリムシの予防と対策
カミキリムシが入り込んだ穴を発見したら、
家庭用ノズル付殺虫剤などを穴に挿して、薬液が外に流れ出るくらいに注入します。
ベタがけの寒冷紗(かんれいしゃ)で樹全体を覆うと、虫の害を予防できます。
6. イチジクの育て方に関するよくある質問
Q. イチジクの実がつくものの大きくなりません。何が原因でしょうか?
A. 要因は4つ考えられます。水、肥料、日当たり、実のつきすぎによる養水分の取り合いです。
要因① 水について
雨が少ない半砂漠地帯のアラビア南部原産のイチジクは、
過湿や水の停滞する所は不適で、土層が深く水はけがよい土地条件が大切です。
ただし、一方で水分要求量は大きく、しかも根は浅根性なので、
特に果実の発育期間中は毎日の水やりが必要で、水の管理が重要となります。
要因② 肥料について
イチジクはほかの果樹に比べて肥料を多く必要とします。
冬に元肥として油かすや完熟堆肥を、また、弱アルカリ性から中性の土壌を好むため苦土石灰も施すとよいでしょう。
4~10月には毎月、化成肥料を施します。
要因③ 日当たりについて
さらに、日当たりがよくないと肥大しません。
混みあった枝や徒長した枝、主枝の裏側から出ている枝は間引き整枝をします。
要因③ 実のつきすぎによる養分の取り合いについて
これは剪定で対応します。剪定の方法は上述の「イチジクの育て方|⑤剪定」をご確認ください。
Q. イチジクを鉢で育てていますが、小さな実の状態で落ちてしまいました。
何が原因でしょうか?
A. 「なり疲れ」または肥料の与え方が原因です。
前年にたくさん実がついた場合は、「なり疲れ」による生理落果が原因です。
1枝に2果くらいを残すよう摘果(てきか)を行います。
また、肥料の与え方にも気をつけてください。イチジクの実が育つには、特にカリが欠かせません。
チッソ、リン酸、カリの配合バランスのよい化成肥料を併用するか、草木灰を加えるとよいでしょう。
Q. イチジクの枝から木くずがたくさん出ています。どうしてでしょうか?
A. カミキリムシ類の幼虫による被害です。
この症状は、カミキリムシ類の幼虫による被害で、木くずはその虫の糞です。
カミキリムシ類の幼虫は俗に「テッポウムシ」と呼ばれていますが、それは幹や枝に穴をあけて内部を食い荒らすから。
この被害にあうと、木は極端に衰弱して、場合によっては枯死することもあります。
また、風が吹くと簡単に幹や枝が折れるのも、この虫の被害が原因です。
イチジクを上手に育てておいしく収穫しよう!
家庭菜園でイチジクを育てるおもしろさは、
自分で育てたイチジクを新鮮なうちに自分で収穫して採れたてのおいしさを体感するところにあるでしょう。
実は市場に流通しているイチジクは、完熟手前で収穫した果実。イチジクの実はデリケートで完熟果は流通が難しいため、正真正銘の樹上完熟果を味わえるのは家庭園芸ならではなのです。それでいて、無農薬で植え付け2年目から収穫できるという栽培カンタンな果樹。
苗木から育てて、成長を見守ることで、
普段口にしている果実がどんな風に育っていくのかを知ることができるのは、家庭菜園ならではの醍醐味です。
初めてイチジクを育てるならUETEがおすすめ
家庭菜園ブランド「UETE」では、ベランダなど育てる場所さえあれば
誰でも簡単にイチジクの家庭菜園を始められる「イチジク スターターセット」を販売中。
UETEがお届けする「スイベル(R)アイーダブラック」は濃紅色の果肉で非常に甘いのが特徴。
耐寒性が強くつくりやすく、夏から秋にかけて長く収穫できる品種です。
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育て方に迷ったらお気軽にご質問ください
イチジクの育て方について、わからないことが出てきましたら
当サイトのCONTACTやInstagram(@uete.jp)からお気軽にご質問ください。
UETEといっしょに、おいしいイチジクが収穫できますように。
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